L0 共通の器

― 違いが宿る前に置かれる、存在の共通基盤 ―

図鑑ID:C-L0-VESSEL-001
カテゴリー:Core
分類:基礎構造目・共通基盤科・共通の器属
親図鑑:C-LAYER-GUIDE-001 Lレイヤー
接続先:C-L1-PRIMORDIAL-001 L1原始OS

概要

L0共通の器とは、人が生命として存在し、内外の刺激を受け取り、反応を生じさせる共通形式を置く理論上の基準点である。

L0は、すべての人の身体・脳・神経系が同じであると説明する理論ではない。

生まれた時点から、身体状態・感覚・神経系・発達・反応特性には個体差があり得る。

L0が示す共通性は、構造や状態の均一性ではない。

人は、身体を持つ生命として存在し、外界と接触する器の上で動き始める。

という共通形式である。

中心命題

L0は、人格・善悪・防衛・自己評価が形成される前提となる共通基盤であり、それらの内容を直接担当しない。

L0
存在し、刺激と反応が成立する共通形式

L1
非学習の初発信号と個体固有の反応素材

環境との反復接触

L2
経験由来の身体識別・防衛経路が形成される

L0が担当するもの

1.存在の基盤

人が、身体を持つ生命として存在していること。

2.入力と反応が生じる器

外界から刺激を受け、内部に変化が生じ、何らかの反応を返せる基盤。

3.Lレイヤーを置く共通座標

L1以降の個体差・形成・意味・観測を説明するために置く、最も中心の基準点。

L0が直接担当しないもの

  • 性格
  • 人格
  • 善悪
  • 優劣
  • 防衛パターン
  • 自己像
  • 価値観
  • 役割
  • 完成した能力
  • 社会的評価

これらが存在しないと断定するのではない。

L0という座標では説明しない。

L0と個体差

L0は共通の器だが、器の具体的な状態が全員同じという意味ではない。

共通するもの:

  • 身体を持つ生命として存在する形式
  • 外界との接触と内部変化が成立すること

異なり得るもの:

  • 身体状態
  • 感覚
  • 反応特性
  • 発達
  • 処理傾向

個体固有の感覚・反応・処理の初期特性は、L1で扱う。

「生まれつき悪い」との境界

L0は、

  • 人は生まれつき人格的に悪い
  • 生まれつき欠陥のある存在である

という自己評価を、そのまま事実化しないための基準点になる。

ただし、

「生まれた時点では身体的な困難も傷も一切存在しない」

と主張するものではない。

先天的な疾患、身体差、周産期の影響、出生時から存在する困難を否定しない。

本図鑑が置くのは、

身体条件と、人格的欠陥の判定は同じではない。

という線である。

L1との違い

L0:

生命として存在し、刺激と反応が成立する共通形式。

L1:

その器に現れる、生命維持側の非学習の初発信号と個体固有の感覚・反応・処理特性。

L0
共通する存在形式

L1
個体ごとに異なる初発信号・反応素材

L0とL1は、物理的な発生時刻ではなく、共通基盤と個体差を分ける機能座標である。

L2との違い

L0:

形成が始まるための共通基盤。

L2:

個体の特性と環境結果が反復接続され、身体識別・防衛・感情調整の道路が形成される処理層。

L2で初めて善悪のすべてが生まれる、という意味ではない。

L2が担当するのは、

  • 何を危険として識別したか
  • どの反応によって危険や関係不安定が減ったか

という経験由来の身体処理である。

観測上の位置

L0単体を、行動や発言から直接観測することはできない。

L0は、

「この反応は、まだどの防衛や物差しにも染まっていない」

と具体的に判定するための層ではない。

人格評価や形成理論を始める前に置かれる、理論上の中心座標である。

取扱注意

  • 人間の身体や神経系が全員同じと説明しない
  • 先天的な身体差や困難を否定しない
  • 「人は皆同じだから個体差はない」と使用しない
  • 現在の苦しみを「本来は無色だから」と軽く扱わない
  • L0から人の本質や真の性格を推定しない
  • L0を純粋・完全・傷のない魂などの形而上概念へ固定しない

他図鑑との接続

  • C-LAYER-GUIDE-001 Lレイヤー
  • C-L1-PRIMORDIAL-001 L1原始OS
  • C-L2-LAYER-001 L2処理層
  • C-L2-CAST-001 L2鋳造式
  • C-RF-000 反射理論

研究所メモ

共通の器とは、全員が同じ形をしているという意味ではない。

違いが現れ、環境と接触し、反応が形成される前提として、

人はまず、身体を持つ生命としてそこにいる。

という座標を置く。

L0が降ろすのは身体差ではない。

身体差や形成された反応を、人格的欠陥と同一にする判定である。